#おかななの読書記録 02

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窪さんの作品を読もう。と思って借りた後に、文庫版は尾崎世界観が解説を書いていたというのを思い出して、単行本を読み終えた後にするすると買いに行ってしまった。550円+税。

2011年の小説トリッパーで、金原ひとみさんと窪美澄さんが対談をしていたのを前見かけて読んだ。窪さん自身も母親が子供を三人おいて出て行ってしまった、という経験があるようで、出てくる「おまえの母さん、いんらんおんな」と登場人物を嘲る言葉もリアリティがあって(“淫乱”がひらがな表記なのがこれまた)胸にグサグサときた。

みひろ、圭祐、裕太の3人が放つ言葉ももちろんだけれど、それ以外の人の発言にもグッときた。むしろその人達は出てくる頻度が少ない分、120%の濃度でこちらに届いてきて、うんうんはいはいなるほどの連呼。

 

 

高校に来てものすごく感じている事だけれど、地元の友達と仲がいい人はとても羨ましいなぁと思う。人数が少ないから、というのもあるのだろうけど、少なくとも私は持っていないものだから。商店街で育ったみひろと裕太と圭祐の3人の繋がりもまた、同じようなものだろうと思うし、そういうのは一朝一夕で作り上げられるものではないものではないというのもわかる。

そんな環境で、兄弟で同じ女を好きになってしまうというのはどのくらい絶望的なことなのだろう。そこまでは想像がつかないけれど、変わらないでいてくれ、と願う気持ちはわかる。わかるけど、でも変わらないものなんかない。以前どこかで「『私が会社や社会を変えます!』と面接で言うような奴は落とす」という言葉を見た。その是非は置いておくけれど、結局お前がいようがいまいが、世界も社会も人の気持ちも変わる、ということか。変わってしまう。

尾崎世界観は “窪さんの小説は「生理小説」だと思う。悪い奴を探す推理小説ではなく、悪い奴を許す生理小説。誰かの罪が暴かれる瞬間より、誰かの罪が許される瞬間に立ち会える。”と書いていた。あぁ、なるほど。今の自分の状況に停滞していないから問題も生まれては解決し、生まれては解決していくし、きっとこれからの人生もそれの積み重ねだと思った。変わってしまうんだ。時間がかかっても、それを受け入れていこうと思った。

 

 

誰にも遠慮はいらないの。なんでも言葉にして伝えないと。どんな小さなことでも。幸せが逃げてしまうよ

 

みんなあのときのままで、第二次性徴なんか一生来なければ良かったのに

 

#よるのふくらみ#窪美澄